孤独感の克服が必要になる

華やかな東京への純粋な憧れや仕事の口の多さ、生活・交通両方の利便性への魅力から上京を夢見る若者は多いが、東京という土地は必ずしもメリットばかりではない。上京してくる多くの若者が必ず一度は感じるのが、孤独感や寂しさだ。
暮らしや仕事を共にするのは出身地も境遇も異なる赤の他人であり、打ち解けるきっかけがなかなか掴めない性格であればあるほど、この孤独感や寂しさから簡単に逃れることができずに長期間苦しい思いをすることになる。中には完全に東京が嫌になり、憧れもすっかり消えて田舎へ帰る若者もいるのだ。
この最も辛い時期を乗り越えられるか否かの分岐点は、どれだけ他人に対し謙虚になり、内に籠ろうとする心を開放できるかにあるだろう。他人の価値観やアドバイスに対し一切耳を傾けられず、孤独を貫いた方が楽だという場合は、得てして謙虚さに欠けてコミュニケーション力も弱い。いつまで経っても他人との有意義な関係を築けず、自分ばかりを長く苦しめる結果となってしまうだろう。
一方、常に謙虚で他人に興味を持ち、真っ先に素の自分をさらけ出せる人は孤独に対してめっぽう強い。孤独の状態から自分を救い出す術に長けており、あっという間に他人に溶け込んで順応してしまうのだ。全く知らない他人に対して、自分をさらけ出すには大きな勇気が必要となってくる。ただ、その後のリターンを考えれば、どんなに苦しくとも積極的に行う価値は十分にあるのだ。